あれはたぶん、小学1年生の夏休みだったと思う。当時、子供の身には知る由もなかったが、複雑な家族の事情があり、ひと夏の間、和歌山の祖母の家にあずけられたのでした。5歳年上の姉と、私の2人。
ショートパンツ姿で髪を短く切った姉が、地元の悪童たちに「男みたい」と言われ、怒りまくっていた姿が思い浮かびます。
祖母の家は、いわゆる旧家で、「大坂の陣」のときに、どちらかの陣営で戦った武将の子孫…というのが口ぐせだったが、当時、すでに没落していたように思う。というのは、代々女性は優秀でよく働くが、男がみんなダメで、私の曽祖父に当たる人が、大正時代に先物相場に手を出して財産をスッてしまった。その婿(つまり私の祖父)は浮気性な上、酒を飲んで暴れるので、祖母が追い出した…という話をあとで姉から聞いた。
祖母の家には、叔母さんと、従姉妹たちが同居していた。ぶっちゃけ言うと、この叔母さん(仮に美代子と呼ぶ)も、夫のDVと浮気が原因で、和歌山の実家に逃げ帰って来たのでした。
祖母の家には、旧家にふさわしいヒノキの大きなお風呂があった。…ような気がします。
鮮明に覚えているシーンは、夜、めずらしく母も合流して、全員でお風呂に入ったこと。
2つ年上の従姉妹の麻衣(仮名)が、子供には大きすぎる湯船に入るため、僕の目の前で「くぱぁ!」と股を広げたこと。
僕が、その神秘的な部位を凝視していると、姉に厳しく注意されたこと。
僕はなんで怒られたかわからず、姉に反抗的な態度をとったこと。
そうしたら美代子叔母さんが僕を抱き上げ、湯船のへりに座らせたこと。
美代子叔母さんは、豊満なからだで僕を包み込むように押さえると、みんなの前で「がばっ!」と股を広げさせ、「ほら、麻衣ちゃん、見てごらんなさい」と言った。
「これは、かなり、小さいほうなのよ」
「”女の子のオチンチン”と変わらないでしょう」
「これじゃあ、幼稚園に逆戻りするようだわね」
「この子は、生まれつきだから…」
「お姉ちゃんは、たくましいのに」
「いっそ、女の子だけなら良かったのに」
祖母、母、叔母さんが口々に言いあいます。美代子叔母さんの目は、まるで何かに復讐して思い知らせるかのように、爛爛と輝いていた…。
僕は、まだ女の人たちに囲まれて、おちんちんをじっくり鑑賞されるという「快楽」に目覚めていなかったが……この日の出来事が、美代子叔母さんのいじわるな台詞(「これは、かなり小さいほうなのよ!」)とともに、いつまでも、心の奥底にこびりついて離れなくなったのでした。
「ボクノ オチンチン ハ カナリ チイサイ」
それは、後に成長して中学、高校になっても付きまとう「呪い」として機能することになります。
というわけで、こちらは実話に基づいたエッセイのコーナーです。
身バレするわけにもいかないので、設定は現実から少し変えていますが、まったくの作り話ではありません。
古い読者さんは、前にもどこかで聞いたことがある話かも…。
気が向いたときに、あれこれとCFNMやお仕置きにまつわる思い出話について、書いてゆきたいと思います。
コメント
思い出話、楽しみです。
ありがとうございます。